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3月11日の震災・津波から半年が過ぎた。あいかわらず毎週福島と東京を行ったり来たりしている。 震災から半年がすぎて、表面的には日常の生活に戻ってきたようにみえる。しかしながら福島県、東北地方では多くの混乱が続いている。福島県の学校では放射能問題のため県外への転出する生徒がいるし、被災地からの転入生もいるし、年度初めには凍結されていた教師の人事異動もあったりして、落ち着かない。地域によっては夏でも教室の窓が開けられない、校庭で遊べない、プールも使用できないなど非日常の状態が続き、散々な夏休みであった。
私たちの共通の目標である自閉症スペクトラムの人とその家族の支援についても、当然ながら震災・津波・放射能の影響が表れている。
大災害後の人々の心理状態は時期によって異なる。災害直後の茫然自失の状態、その後のいわゆるハネムーン期(劇的な体験を潜り抜けたことで被災者同士が強い連帯感で結ばれ、被災地全体が暖かい雰囲気になる)、幻滅期(支援の遅れや行政の対応への不満が高まり、飲酒問題や対人関係のトラブルが目立ちだす)を経て再建期に入るといわれている。
福島にいると確かに震災直後のハネムーン期は過ぎ去ったことが実感される。もともと不十分であった自閉症のサービスがさらに減ってしまった。そのため震災前には多少なりとも提供されていた自閉症支援が受けられず忍耐の限界に達している子どももいる。被災した支援者が多いことや放射能問題、雇用問題、経済的な問題などが関係しており問題は複雑である。
放射能問題の終結が見えないまま、幻滅期をなんとか短くして再建に向かい、日々の支援ができるように戻していきたい。
災害時の自閉症支援について何か先人のデータがないものかと思い、色々なデータベースを探してみた。さらに英国自閉症協会やTEACCH部の人にも聞いてみたが、あまりデータはなかった。これだけ大規模な災害は世界の歴史の中でもまれである。自閉症支援の先進地域である英国や北欧、北米には大地震や大津波の経験はほとんどないそうである。
今回の大災害で、どのように自閉症スペクトラムの人たちを支援するかは、私たちが実際に活動するなかで考えていかねばならない。ありがたいことに日本各地から多くの専門家が支援に東北地方に来て下さっているし、TEACCH研の関係者もがんばっている。支援者同士で情報交換を密にしながら、実際に被災地域の自閉症スペクトラムの人たちに役立つ支援をしていきたい。被災地の自閉症支援はこれからが正念場なのである。
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TEACCHプログラム研究会会長 内山 登紀夫
(2011年11月)
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